「飲食料品を消費税0%へ」高市首相の衝撃公約は実現可能か? 2.8総選挙の最大争点と、私たちが知るべき「税と物価」の客観的事実

政治

通常国会冒頭での衆議院解散から2日が経過し、日本列島は「最強寒波」の到来とともに、史上最短の決戦となる衆院選(2月8日投開票)に向けた熱い政策論争の渦中にあります。その中でも最大の注目を集めているのが、高市早苗首相が打ち出した「飲食料品の消費税率を時限的に0%にする」という公約です。

「本当にそんなことができるの?」「もし0%になったら、家計はどう変わるんだっけ?」「財源やシステムの壁は?」――。本記事では、この衝撃的な公約の背景にある客観的な事実を整理し、「あれなんだっけ?」を解決する形式で詳細に解説します。


1. 2026年1月25日現在の選挙公約データ

今回の総選挙に向け、主要各党が掲げる経済対策の柱は以下の通りです。特に消費税の扱いは、有権者の投票行動を左右する最大の焦点となっています。

主要政党の消費税・経済公約

  • 自民党(高市首相):「2年間に限り、飲食料品の消費税率を0%に」。デフレ脱却を確実にするための緊急措置と位置づけています。
  • 中道改革連合(CRA):「消費税の軽減税率対象をさらに拡大」。立憲民主党や公明党離脱組、維新などが合流した新党は、持続可能な社会保障との両立を強調しています。
  • 国民民主党:「手取りを増やす」。所得税の減税や基礎控除の引き上げを優先し、消費税議論とは一線を画すスタンスです。

2. 【あれなんだっけ?①】飲食料品0%による「節約効果」の真実

もし飲食料品の消費税が8%から0%になった場合、私たちの財布には具体的にどれくらいの影響があるのでしょうか。最新の経済データに基づき解説します。

世帯あたり年8万〜10万円の負担減

  • 計算の事実:2人以上の世帯における平均的な食費支出に基づくと、税率0%化による直接的な負担軽減額は、年間で約8.8万円と試算されています。
  • 逆進性の解消:消費税は所得が低いほど負担感が重くなる「逆進性」が課題ですが、食料品を0%にすることで、低所得世帯の可処分所得を相対的に大きく押し上げる効果があります。
  • 他品目への影響:食料品で浮いたお金が外食やレジャー、あるいは新NISA等を通じた投資に回ることで、GDPを約0.3%〜0.5%押し上げる「サナエノミクス」の起爆剤として期待されています。

3. 【あれなんだっけ?②】実現を阻む「3つの壁」

魅力的に見える公約ですが、実効性については専門家から厳しい指摘も上がっています。客観的な事実としての課題を整理します。

① 4.8兆円の「巨大な穴」

飲食料品の税率を0%にすると、国と地方を合わせて年間で約4.8兆円の税収が失われます。2年間の措置であれば約9.6兆円。高市首相は「外為特会の余剰金」や「積極財政による成長」を財源に挙げていますが、S&Pなどの格付け機関からは「日本の財政健全化を損なう恐れがある」との事実に基づいた警告も出ています。

② インボイス制度との整合性

2023年に導入されたインボイス制度(適格請求書等保存方式)により、現在の税務システムは「複数税率」を前提に組まれています。0%を導入する場合、レジシステムの大規模な改修に加え、卸売・流通段階での計算が極めて複雑化するという実務上の事実があります。

③ 「0%」と「非課税」の違い

ここが重要です。高市首相が掲げる「税率0%」は、事業者が仕入れにかかった消費税の還付を受けられる仕組み(ゼロ税率)を指します。一方、土地の売買のような「非課税」とは異なり、国にとっては還付金という追加の支出が発生する仕組みであるという事実はあまり知られていません。


4. なぜ「予算審議前」の解散だったのか

1月23日の通常国会冒頭解散という異例のタイミングにも、経済的な背景が絡んでいます。

「暫定予算」を覚悟した政治決断

通常、1月から3月は新年度予算案を審議する時期ですが、今回の解散により予算案の成立は選挙後(4月以降)にずれ込みます。このため、政府は4月から数ヶ月間の行政運営を賄うための「暫定予算」を組む準備に入りました。新規の投資事業や補助金の開始が遅れるというリスクを負ってでも、首相は「消費税ゼロ」を看板に信を問う道を選んだという政治的背景があります。


5. 今さら聞けない「選挙と暮らし」のQ&A

正確な情報を整理します。

Q: 選挙に勝てば、2月9日からスーパーのレジが0%になるの?
A: 不可能です。 前述のシステム改修や法改正が必要なため、最短でも2026年度(4月1日)からの実施になると予測されています。選挙ですぐに安くなるわけではない、という事実は重要です。

Q: メガ寒波による大雪で投票に行けない場合は?
A: 期日前投票の活用が推奨されています。 2026年1月25日現在、日本海側を中心に記録的な大雪となっており、当日の天候悪化に備え、自治体は安全な時期の期日前投票を呼びかけている事実があります。


6. まとめ:2026年、日本の選択

衆院解散後の最初の日曜日に、私たちが認識すべき事実は以下の通りです。

  1. 「消費税0%」の魅力とコスト:家計負担は劇的に減る一方、年間4.8兆円の財源確保と複雑なシステム改修という重いコストを伴う。
  2. 短期決戦の争点:高市自民の「積極投資・大幅減税」か、中道改革連合の「現実的な生活支援」か。私たちは、この15日間で日本の経済モデルを決定する。
  3. 暫定予算の影響:選挙を優先したことで、春先の行政サービスの一部に時間差が生じるリスクが存在する。

これらの背景知識(あれなんだっけ?)を持つことで、候補者たちの演説や、テレビで報じられる「減税」という言葉を、単なる期待としてだけでなく、国全体の家計簿(財政)と地続きの課題として冷静に評価できるようになります。2026年の冬、日本の未来を決める審判の時は、もう目の前に迫っています。

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