国民の祝日の一つに「成人の日」があります。2022年4月の民法改正により成人年齢が18歳に引き下げられてから4年目(4回目の成人の日)を迎えました。街には晴れ着姿の若者があふれていますが、制度運用においては「18歳」と「20歳」の境界線が今も共存しています。
「成人になったのは18歳なのに、なぜ式典は20歳で行うの?」「18歳からできるようになったこと、今も20歳まで禁止されていることの差は?」「成人になると消える『未成年者取消権』って何だっけ?」――。本記事では、2026年度の最新状況と背景知識に基づき、客観的な事実を整理して解説します。
1. 2026年の式典状況:9割以上の自治体が「20歳」対象
法的な「成年」は18歳ですが、本日1月12日に開催されている自治体の式典のほとんどは、20歳(2005年度生まれ)を対象としています。
名称と対象年齢の現状
- 「二十歳のつどい」への名称変更:18歳が成人となった現在、従来の「成人式」という名称では誤解を招くため、多くの自治体が「二十歳のつどい」「はたちの集い」などに名称を変更して実施しています。
- 20歳で開催する理由:18歳(高校3年生)を対象とした場合、大学受験や就職活動の時期と重なり出席が困難になること、また進学等による家計負担が重なる時期であることを考慮し、全国の9割以上の自治体が「20歳での開催」を継続しています。
- 事実:2026年現在、18歳で式典を行う自治体はごく一部(大分県国東市、三重県伊賀市の一部など)に留まっており、社会的には「お祝いは20歳」という文化が事実上の標準となっています。
2. 【あれなんだっけ?①】18歳と20歳の「できること」の境界線
成人年齢が引き下げられても、すべての権利が18歳に移行したわけではありません。健康被害や依存症のリスクを考慮し、20歳を基準とする法律が維持されています。
18歳(成人)からできること
- 契約行為:親の同意なしに、クレジットカードの作成、携帯電話の契約、アパートの賃貸契約、ローンの締結が可能になります。
- 資格・パスポート:公認会計士や司法書士などの国家資格取得、10年有効パスポートの申請。
- 結婚:男女ともに18歳から、親の同意なく結婚が可能(女性の結婚年齢が16歳から引き上げられ、統一されました)。
20歳まで禁止されていること
- 飲酒・喫煙:健康への影響を考慮し、引き続き20歳未満は禁止。
- 公営ギャンブル:競馬、競輪、競艇、オートレースの投票券購入。
3. 【あれなんだっけ?②】消滅する「未成年者取消権」のリスク
2026年1月の最新の消費者被害動向において、18歳・19歳の「契約トラブル」が深刻な課題となっています。その背景にあるのが「未成年者取消権」の消滅です。
未成年者取消権とは
未成年者が親の同意を得ずに行った契約を、後から無条件で取り消すことができる権利です。
- 成人の責任:18歳になった瞬間からこの権利を失います。つまり、「知識不足で騙された」「強引に勧誘された」としても、契約を維持する責任が生じるという事実があります。
- 2026年の傾向:特に「副業サイト」「美容脱毛」「オンラインカジノ関連」の契約トラブルが急増しています。SNSを通じて「簡単に稼げる」といった勧誘に遭い、高額な消費者金融ローンを組まされるケースが後を絶ちません。
4. 【背景解説】なぜ2026年の成人の日は「3連休の中日」ではないのか?
今年のカレンダーに違和感を覚える方も多いかもしれません。成人の日は「1月の第2月曜日」と定められています。
ハッピーマンデー制度の事実
- 制度の運用:2000年から始まったハッピーマンデー制度により、成人の日は1月15日から「1月の第2月曜日」に移行しました。
- 2026年の並び:2026年は1月1日が木曜日のため、第1月曜日が5日、第2月曜日が今日12日となります。土・日・月の3連休の最終日にお祝いが行われるというスケジュールです。
5. 新成人にまつわる「数字」
正確な統計情報を整理します。
Q: 2026年の新成人は何人?
A: 総務省の推計に基づくと、2026年に20歳を迎える人口は約100万人(2005年生まれ)です。 18歳人口もほぼ同等ですが、少子化の影響で長期的な減少傾向にある事実に変わりはありません。
Q: 18歳から国民年金を払うの?
A: いいえ、国民年金の加入・保険料納付義務は引き続き「20歳から」です。 成人年齢は引き下げられましたが、年金制度の開始年齢に変更はありません。
6. まとめ:2026年、自立と自己責任の門出
「成人の日」を通して見えてくる事実は以下の通りです。
- 式典の現状:「成人は18歳、お祝いは20歳」という二段構えの文化が定着。
- 権利とリスク:18歳から自由な契約が可能になる一方、親の保護(取消権)を失うため、高いリテラシーが求められている。
- 不変のルール:飲酒・喫煙・年金など、20歳を基準とする社会制度も依然として多く残っている。
これらの背景知識(あれなんだっけ?)を持つことで、晴れ着姿の若者たちを見る目が、単なる「お祝い」から、彼らが背負う新しい「権利と責任」への理解へと変わります。2026年、成人の日は、若者が社会の一員として実質的に漕ぎ出すための、より現実的で重要なマイルストーンとなっています。


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