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「NISAを始めたばかりなのに、ニュースを開くたびに株価が上がったり下がったり……いったいどうすればいいの?」——そんな不安を抱えながら、今日もスマホの証券アプリをそっと閉じた人は少なくないはずです。
2026年7月14日の東京株式市場では、日経平均株価が売り先行で始まったものの、割安感が意識されたAI半導体株などへの買い戻しで小幅反発しました。こうした”行って来い”の値動きは、市場の方向感が定まっていないサインでもあり、特にNISAや投資信託で運用を始めたばかりの初心者にとっては「このまま持ち続けていいのか」「今すぐ売った方がいいのか」と頭を悩ませる場面です。
でも安心してください。株価の乱高下は、ベテラン投資家でも頻繁に経験することです。ポイントをしっかり押さえれば、感情に流されずに正しい判断ができます。
この記事でわかること:
- 株価が乱高下する時期に初心者が陥りやすい”NG行動”
- 含み損が出ても慌てないために今日から実践できる具体的な5つの対処ステップ
- 「売るべきか、持ち続けるべきか」の判断基準と相談先
なぜ今、株価の乱高下で不安を感じる初心者が増えているのか?
まず前提として、株価の乱高下は「異常事態」ではなく、市場の通常運転の一部です。それでも今の時期に不安が高まる理由には、明確な背景があります。
2024〜2025年にかけて新NISAが始まり、証券会社各社のデータによれば、口座開設数は制度開始から1年で1,000万口座を超えました。多くの人が「老後のため」「資産形成のため」と初めて投資に踏み出した時期と、世界的な金利動向の不透明感・AI関連銘柄の急騰と調整サイクルが重なったのです。
具体的には、「米国の利下げペースが読みにくい」「地政学リスク」「為替(円安・円高)の振れ」など複数の要因が絡み合い、1日で日経平均が200〜500円単位で動く場面が増えています。ある日は「AI半導体株に買い戻し」でプラス、翌日は「利益確定売り」でマイナス——こうした動きを毎朝ニュースで目にするたびに、心理的なストレスが蓄積されていきます。
金融庁の調査(2024年)でも、NISA利用者の約4割が「相場下落時に不安を感じて一時的に売却を検討した」と回答しています。あなたの不安は、決して特別なことではありません。
まず確認すべきポイント:「含み損」と「確定損」は全く別物
最初に絶対に理解してほしいのは、「含み損は損失ではない」という事実です。この認識の誤りが、初心者の最大の失敗につながります。
含み損とは、今売ったとしたら損になるという”評価上の数字”に過ぎません。実際に売却して初めて「確定損」になります。たとえば、1万円で買った投資信託が8,000円に値下がりしていても、売らない限りあなたの損失は「まだ確定していない」のです。
歴史を振り返ると、日経平均はリーマンショック(2008年)で約50%下落した後、約3年で回復し、その後さらに上昇しました。コロナショック(2020年3月)の急落も、わずか半年で回収されました。長期・分散・積立という原則を守っていれば、多くの局面で「持ち続けた人」が「慌てて売った人」より有利な結果を得ています。
また確認しておきたいのは、以下の3点です。
- 投資目的はなんですか?——老後資金(10〜30年後)なら短期の値動きは関係ない
- 生活費と投資資金は分けられていますか?——生活費に手を付けなければ「売らざるを得ない」状況には原則ならない
- 今の保有銘柄・ファンドの中身を理解していますか?——「何に投資しているかわからない」状態で判断するのは危険
今日からできる!株価乱高下時の具体的な対処ステップ5つ
乱高下局面で初心者が実践すべきことは、実はシンプルです。以下の5ステップを順番に確認してください。
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ステップ1:アプリの確認頻度を「週1回」に減らす
株価を1日に何度も確認するのは百害あって一利なし。金融庁の行動ファイナンス研究でも、確認頻度が高いほど「感情的な売買」につながるとされています。特に乱高下が続く時期は、週に1回、決めた曜日だけ確認するルールに変えましょう。月曜の朝に5分だけ、など具体的に決めることが大切です。 -
ステップ2:積立設定はそのままにする(むしろ下落時はチャンス)
NISAの積立投資をしている場合、下落時に積立をやめるのは最も損な選択です。ドルコスト平均法の原理上、価格が下がった時にも同額を積み立てることで、1口あたりの平均取得コストが下がります。仮に毎月3万円の積立を12ヶ月続け、そのうち6ヶ月が「安値」だった場合、同じ金額で多くの口数が買えた計算になります。設定を触らないことが、長期投資では最強の戦略です。 -
ステップ3:ポートフォリオの「比率」だけ確認する
金額の増減ではなく、「株式〇%、債券〇%、現金〇%」という比率をチェックしましょう。たとえば株式70%・債券20%・現金10%で組んでいたのに、株価下落で株式50%まで比率が落ちていたなら、リバランス(比率を元に戻す操作)のタイミングかもしれません。これは「売る」判断ではなく「買い増し」の判断であることに注意してください。 -
ステップ4:「なぜ下がっているか」のニュースを1本だけ読む
原因を知ることで、不安は半減します。「AI半導体株の調整」「米国金利の動向待ち」など、理由がわかれば「一時的なものか」「構造的な問題か」がある程度判断できます。ただし情報は1〜2本に絞ること。多読はパニックの元です。日経電子版やNHKの経済ニュースなど、信頼できるメディアを1つだけ決めて読む習慣をつけましょう。 -
ステップ5:「売る基準」を事前にルール化する
感情的な売買を防ぐ最強の方法は、「〇%以上の下落が〇ヶ月以上続いたら見直す」という基準を事前に決めておくことです。たとえば「当初投資額から30%以上の損失が1年以上続いたら、ファンドの変更を検討する」など。このルールがあれば、日々の値動きに振り回される必要がなくなります。
絶対にやってはいけない!初心者がやりがちなNG行動
乱高下時に取ってしまいがちな行動の中に、後悔につながるNG行動があります。知っておくだけで大きな損失を防げます。
| NG行動 | なぜダメか | 代わりにすること |
|---|---|---|
| 下落時に全部売って「待機」する | 回復タイミングを逃すリスク大。「安値で売って高値で買い戻す」のは上級者でも難しい | 積立設定はそのまま維持 |
| SNSの「爆上げ銘柄」情報を信じて乗り換える | 情報が出回った時点で既に高値。後から買うと高値掴みになる可能性が高い | インデックスファンドの積立を継続 |
| 生活費を取り崩して「ナンピン買い」をする | さらに下落した場合、生活が立ち行かなくなる。投資は余剰資金で | 生活費3〜6ヶ月分は現金で確保 |
| 「損を取り返そう」と頻繁に売買する | 売買手数料・税金(20.315%)がコストとしてのしかかる | 長期保有でコストを最小化 |
| 「もう株はやめた」と全撤退する | インフレが続く局面では現金の実質価値が目減りする | リスク許容度を見直し、比率を下げる程度にとどめる |
特に注意したいのが「全売却して待機する」行動です。金融庁の長期投資シミュレーションによれば、過去20年間の日経平均に毎月一定額を積み立てた場合、下落局面で売却を繰り返した人より、「何もしなかった人」の方が最終資産が平均15〜20%以上多かったというデータがあります。
専門家・経験者が実践している乱高下対策の工夫
ベテラン投資家や金融アドバイザーが乱高下局面で実際に行っていることを、ここでは5つ紹介します。
工夫①:「感情日記」をつける
値動きの大きい日に「今どんな感情か」を短くメモする習慣を持つ投資家がいます。後で読み返すと「あの時売らなくてよかった」「あの時の判断は正しかった」と客観視できるようになり、次の局面での判断精度が上がります。スマホのメモアプリで十分です。
工夫②:「コア&サテライト戦略」でリスクを分散
資産の70〜80%を世界株や全米株のインデックスファンド(コア)にし、残り20〜30%で個別株や新興国ファンド(サテライト)に投資する方法です。コア部分は乱高下があっても基本的に触らず、サテライトだけで機動的に動きます。このやり方なら、ポートフォリオ全体の乱れを最小限に抑えられます。
工夫③:「1年後・5年後・20年後」の3軸で考える
FP(ファイナンシャルプランナー)がよく使うフレームワークです。今の下落が1年後にどう見えるか・5年後にどう見えるか・20年後にどう見えるかを想像することで、今日の数十円の値動きが「誤差」に見えてきます。投資の軸足を「今日」ではなく「将来」に置くだけで、精神的なストレスが大幅に減ります。
工夫④:定期的に「投資目的を確認する」時間を作る
「なぜ投資しているのか」を3ヶ月に1回、手帳やメモに書き直す投資家が増えています。「老後2,000万円問題への備え」「子どもの教育費」「10年後の家のリフォーム代」など、目的が明確なほど、短期の乱高下に動揺しにくくなります。
工夫⑤:信頼できる1人のFPに「壁打ち」してもらう
不安な時に「この判断は正しいか」と確認できる専門家を1人持っておくことは、長期投資の継続に非常に有効です。金融機関の窓口よりも、独立系のFP(手数料型)に相談すると中立的なアドバイスが得やすいです。日本FP協会のウェブサイトから無料相談を探すことができます。
それでも不安が消えない時の相談先・公的制度
自分だけで判断するのが怖い、または深刻な含み損が出てしまった場合は、一人で抱え込まないことが大切です。
以下の窓口・制度を活用しましょう。
- 金融庁「金融サービス利用者相談室」(0570-016-811)——投資トラブル・証券会社への不満など、無料で相談できる公的窓口。平日9:00〜17:00。
- 日本FP協会「くらしとお金の相談」——独立系FPによる60分程度の無料相談が全国で受けられる。老後・教育費・資産形成など幅広く対応。
- 証券会社のロボアドバイザー・チャットサポート——SBI証券・楽天証券・マネックス証券などでは、AIや担当者によるポートフォリオ診断が無料または低コストで受けられる。
- 市区町村の「消費生活センター」——投資詐欺や不適切な金融商品の勧誘を受けた場合はここへ。国民生活センター(188)に電話するとつながる。
なお、SNSやYouTubeの「億り人」「FX必勝法」などの情報は、根拠が不明確なものが多く、真似をすることで大きな損失につながる可能性があります。特に乱高下局面では「今が買いのチャンス」とあおる情報が増えますが、焦って行動する前に必ず公的機関や中立的な専門家に確認することをお勧めします。
よくある質問
Q1. 日経平均が大きく下がった時、NISAの積立は一時停止すべきですか?
A. 原則として停止は不要です。積立投資の強みは「安い時にも同額を買う」ことで平均取得コストを下げるドルコスト平均法にあります。下落局面で停止してしまうと、割安な価格で購入できる機会を逃すことになります。ただし、生活費が不足しそうな場合は生活を優先し、積立金額を一時的に下げる(完全停止ではなく月1,000円など最小額に変更する)方法も選択肢です。
Q2. 含み損が出ています。今すぐ損切りして別の銘柄に乗り換えた方がいいですか?
A. 乗り換え先が確実に上がる保証がない限り、慎重に考える必要があります。損切り自体は戦略的な判断として有効ですが、「損を取り返そう」という感情から乗り換えるのは危険です。売却時には約20%の譲渡所得税がかかり(NISAは非課税)、乗り換え先でさらに損失が出るリスクもあります。まずはFPや証券会社の相談窓口に現状を伝えてから判断しましょう。
Q3. AI半導体株が「割安」とニュースに出ていました。今が買い時ですか?
A. 「割安感が意識された」というのはあくまでも一部の市場参加者の見方であり、必ずしも「今が底値」を意味しません。個別株・テーマ株への投資は値動きが激しく、初心者には特にリスクが高い領域です。もし関心があるなら、AI関連銘柄を組み入れた投資信託(テーマ型ファンド)から少額で始め、まず仕組みを理解することをお勧めします。一度に大きな金額を動かすのは避けてください。
まとめ:今日から始められること
株価の乱高下は、市場が健全に機能しているサインでもあります。あなたの不安は当然のことで、決して恥ずかしいことではありません。大切なのは、その不安に飲み込まれて感情的な判断をしないことです。
- 今日すぐできること①:証券アプリの確認を「週1回・月曜の朝だけ」にアラームをセットする
- 今日すぐできること②:積立NISA・iDeCoの設定画面を開き、「自動積立が続いているか」だけ確認して閉じる(触らない)
- 今日すぐできること③:「自分がこの投資を始めた理由・目標金額・いつまでに必要か」を手帳やメモに書き留める
株式投資の本質は「企業の成長に長期で乗り続けること」です。日々のニュースに反応するのではなく、3年・5年・10年という時間軸で自分のゴールを見つめ直してみてください。乱高下の嵐も、少し高い場所から見れば小さな波です。焦らず、でも学び続けながら、あなたのペースで資産形成を続けましょう。
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